作り手と使い手の繋ぎ手

職人が1本ずつ鍛えて作り上げる打刃物(包丁)は、ただよく切れるというだけのものではありません。
そこには、日本の文化や歴史、芸術性、伝統の技や職人の心意気など、あらゆるものが含まれています。
私たちは「作り手(鍛冶屋)」から「使い手(料理人)」を結ぶ「繋ぎ手」でありたいと考えています。

代表あいさつ

HAGAKUREは「日本伝統の打刃物を世界に広め、料理に関わる人々のお役に立つこと」をコーポレートアイデンティティーとして掲げています。そのため、私たちは打刃物の歴史や文化、そして存在意義を誰よりも深く理解し、その価値と魅力を発信し続けていくことを約束します。

古来より日本人の食を支えてきた打刃物(包丁)ですが、あまりにも身近な生活道具であったため、そのものが低く評価されてきた傾向があります。しかし、安い、いわば使い捨ての刃物が大量生産され大量消費される昨今、その対局にある鍛造モノと呼ばれる打刃物の価値が見直されつつあります。

弊社では、代表自らが何度も産地へ赴き、職人に会って交渉し、直接仕入れをさせていただいております。「作り手」と「使い手」の橋渡しをする「繋ぎ手」として、現場の生の声を聴くことは何よりも優先されるべきと考えるからです。

社会は刻一刻と変化しています。打刃物職人も伝統に重きを置きながらも革新的なチャレンジを絶えず行っています。時代が求める包丁とは何か―。

Cutting Edge of Tradition(伝統の最先端を追求する)をテーマに、より豊かな食文化の創造に寄与するため、HAGAKUREも挑戦し続けます。多くの方に世界最高峰の包丁を使っていただき、喜んでいただけますよう願っています。

株式会社HAGAKURE 代表取締役 村上 由一

打刃物について

越前、土佐、三木、堺・・・全国各地に点在する刃物の産地。そのルーツは日本刀に端を発するもの、大工道具から始まったもの、林業で使われた刃物に起源をもつものなどさまざまです。しかし共通するのは、暮らしに必要不可欠な生活道具であるという点です。刃物に限ったことではありませんが、古来より日本人が道具に求めた要素は、いかに長く使えるか、つまり現代社会に蔓延している”使い捨て”の対局にあります。

打刃物は火造り鍛造という日本独自の技法により、鋼と軟鉄を打ち合わせて作られます。切れ味鋭く、強くて粘りがあり欠けにくい。数百年も前に生みだされた先人たちの技と叡智の結晶です。それは情報化社会、AI時代となった今日でも変わりません。日本のような包丁や製法そのものがなかった海外で、日本の鍛冶屋がアーティストととらえられるのはこの為です。

また、わが国は包丁大国であり、その種類の多さは世界に類をみません。これは豊かな自然とそれに恩恵を受け発達してきた食文化による産物であり、同時に、究極の機能美を備えたものです。種類は何であれ、打刃物は大切に使えば一生もの、あるいは二代、三代と使用出来る耐久性を備えています。

近年は、多層鋼による波紋や墨流し(ダマスカス)模様、鎚目などのデザインもバラエティーに富んでいて、選ぶ人の目を楽しませてくれます。その美しさと品質の高さは海外からも高く評価されていて、人気鍛冶の包丁は品薄状態が続いています。

全国初 完全予約制の包丁屋

私たちHAGAKUREは、全国初となる完全予約制の包丁屋です。これは、お客様に包丁の説明をさせていただくためです。

HAGAKUREというブランド名は、江戸時代、佐賀鍋島藩に伝わった教義をまとめた古典『葉隠』に由来します。そこには日本武士道の精神や人としていかに生きるかという教義が要約されています。

私たちは、日本の精神は生活道具にも宿っているはずだと考えています。そのため、私たちは包丁のなかにある伝統や芸術性も重視しています。

鶏肉の下処理に特化した包丁、包丁と手斧の長所を併せ持つ鉈包丁など、ここにしかない逸品を取り揃えています。
特に海外のお客様に好評なのが漆が施された特注柄。宮島厳島神社の鳥居をモチーフにしたものや和模様を連想させる墨流し(マーブリング)の漆柄が特に人気です。
その他、広島の戦国武将・毛利元就が残した言葉から名付けられた「百万一心」という漆柄シリーズもあります。

このように、私たちは刃物専門店として、日本の包丁の品質だけでなく、その歴史的・文化的・工芸的側面も発信しています。
HAGAKUREスタイルのもうひとつの特徴は、その立地です。

呉市は広島の南東に位置し、風光明媚な瀬戸内海に面した街です。かつては戦艦大和を建造するなど東洋一の軍港として発展しました。
当店にお越しいただいたお客様には、観光スポットやご当地グルメなど、地元民おすすめのとっておき情報をお伝えしています。海外からのお客様には、別途有料にて当店スタッフが直接アテンドすることも可能です。
ちなみに「HAGAKURE」の漢字「葉隠」の元々の意味は「隠れた葉」または「葉に隠れる」という意味です。当店の社紋は、炎に鍛えられた刃や葉に隠されたものの本質を表しています。

隠れて目立たないけれども、社会になくてはならない存在でありたい。そんな想いも込められています。

私たちのご提供する包丁で、楽しく豊かな料理生活を送っていただけますよう願っています。