本割込鍛造にこだわる若き名士
宮﨑鍛冶屋 宮﨑春生(みやざきはるき)
長崎市出身。高校を卒業したあと生活道具の農具に興味をもち、日本古来の鍛造製法に行き着きます。そして福岡市の名匠、大庭利男(大庭鍛冶工場)のもとに入門しました。大庭氏は日本で唯一の土俵鍬を作る鍛冶で、その包丁は博多包丁として人気があります。宮﨑氏はそこで昔ながらの製法を学び、本割込鍛造の技術を身につけました。
修行後は父の故郷である長崎県五島に工房を構え、宮﨑鍛冶屋として開業。五島市の花木であるヤブツバキにちなみ、「椿包丁」の銘で売り出し、博多包丁を継承した商品群を主力にしています。
こだわりは本割込鍛造。機械生産できる安価で大量消費型の包丁とは対局にある製法で手間ひまはかかりますが、一生大切に使い続けることのできるホンモノの生活道具です。近年は海外からの問い合わせも後を絶たず、気の遠くなるような数のオーダーを受けながらも、手仕事ならではの逸品を丹精込めて作り続けています。